38歳ゲイリーマンのサバイバル

この記録がいつか自分自身の・誰かの道標になりますように

【独り言】タリスカー(Talisker)が好きだ

突然だけど、俺はシングルモルトウイスキーが好きだ。香り高いSpeysideのCragganmoreやGlenfiddich、軽い飲み口のLowland&BorderのGlenkinchie、焼けるような味のするSkyeのTalisker、そしてスモーキーかつダンディなIslayArdbegやLagavulin。そのどれもが愛おしい。ブレンデットウイスキーだって悪くはない。でも、ブレンデッドがオーケストラなのだとしたら、俺はそれを構成している楽器やその音に耳を傾けたい。ブレンダーが指揮者なのだとしたら、彼らによって指揮される一人一人の奏者に焦点を当てたい。その方が個性が分かって面白いじゃん。

 

その中でも個人的なイチオシはTaliskerだ。ピーティな風味と、その塩辛さ。パワフルな味。そのパワフルな味に、やられてしまった。「飲んでる!」「生きてる!」と感じられる。

 

Skye島にあるTalisker蒸留所を僕が訪ねたのは2014年。2005年に留学を終え日本に帰国して以来実に10年ぶりのスコットランド再訪だった。TaliskerはSkye島の南西部、静かな入り江に向かって緩やかな坂道を下っていく途中にあった。ちなみにその入江を挟んで向かいにはSkye島の山々が広がる。風が強く土地がやせているため木が育たない、荒涼とした茶色い台地だ。

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Taliskerの味はまさにSkye島そのものだ。美しいが気候は厳しい。繊細だが猛々しい。口に含むとその潮の猛々しさが広がるけど、そして後にはピートとまろやかな塩の風味が残る。俺はTalikerを飲むといつも、Skye島のあの大地と空と風と海の情景が思い出される。人を寄せ付けないようでいて、でも温かい島。そこで作られるシングルモルトも、またそんな味をしている。そんな酒を飲むと、俺は生きているのを感じるし、このTaliskerという酒も生きているのを感じる。

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